安全利用について

自転車の安全利用五則

自転車事故で亡くなった人の8割近くがルール違反

道路イメージ

警察庁交通局の「令和3年度の交通事故の発生状況」によると、令和3年(2021年)中の自転車が当事者となった交通事故は6万9,694件で、交通事故全体の約23%を占めています。自転車関連交通事故件数のうち、ルール違反があった割合は66.1%であり、自転車乗用中の死亡事故では76.0%とさらに高くなっています。信号を守る、一時停止をするなど、交通ルールは歩行者・自転車・自動車など道路を利用する人すべてが、安全に道路を通行し、交通事故を未然に防ぐためのものです。ルールを知っているだけでなく、それらをきちんと守ることが重要なのです。
こうした現状において、“自転車安全利用五則”(2022年11月1日制定)は、事故の減少に大きく寄与するものといえます。

『自転車安全利用五則』
(2022年11月1日制定、中央交通安全対策会議 交通対策本部決定/2007年7月10日付け交通対策本部決定は廃止)

自転車を利用するにあたって、被害者・加害者にならない為には、“自転車安全利用五則”の徹底が基本です。

  • 1車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
  • 2交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
  • 3夜間はライトを点灯
  • 4飲酒運転は禁止
  • 5ヘルメットを着用

自転車の通行方法等に関する主なルール(令和4年11月1日中央交通安全対策会議交通対策本部決定「自転車の安全利用の促進について」の参考1によります。)

通行場所・方法

車道通行の原則

道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則であり、車道の左側(車両通行帯のない道路では左側端)を通行しなければならない。
著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯を通行することができるが、その場合は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければならない。

【該当規定】道路交通法第17条第1項及び第4項、第18条第1項/第17条の2

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

自転車は車道が原則、歩道は例外

歩道における通行方法

普通自転車が歩道を通行する場合は、道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(普通自転車通行指定部分)がある場合は当該部分を、指定されていない場合は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

【該当規定】道路交通法第63条の4第2項

【罰則】2万円以下の罰金又は科料


※車体の大きさ及び構造が道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第9条の2の2で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないもの。

<道路交通法施行規則第9条の2の2に定める基準>

  • 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。

    • 長さ190センチメートル
    • 幅60センチメートル
  • 車体の構造は、次に掲げるものであること。

    • 四輪以下の自転車であること。
    • 側車を付していないこと。
    • 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。
    • 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
    • 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

歩行者用道路における通行方法

道路標識等によって車両の通行が禁止されている歩行者用道路を警察署長の許可を受け、または禁止の対象から除外されていることにより通行するときは、特に歩行者に注意して徐行しなければならない。

【該当規定】道路交通法第9条

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等

歩行者用道路における通行方法

交差点での通行

信号機のある交差点では、信号機の表示する信号に従わなければならない。「歩行者・自転車専用」と表示されている信号機のある場合は、その信号機の表示する信号に従う。

【該当規定】道路交通法第7条

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等

交差点での通行

信号機のない交差点で、一時停止すべきことを示す道路標識等がある場合は、一時停止しなければならない。また、狭い道から広い道に出るときは、徐行しなければならない。

【該当規定】道路交通法第43条、第36条第3項

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等

一時停止すべきことを示す道路標識

横断

道路や交差点又はその付近に自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯を通行しなければならない。

【該当規定】道路交通法第63条の6、第63条の7第1項

横断

自転車道の通行

普通自転車は、自転車道が設けられている道路では、やむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。普通自転車以外の二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び車両をけん引しているものを除く。)は、自転車道を通行することができる。

【該当規定】道路交通法第63条の3、第17条第3項

【罰則】2万円以下の罰金又は科料

自転車道の通行

普通自転車専用通行帯の通行

普通自転車は、普通自転車専用通行帯が設けられているときは、その普通自転車専用通行帯を通行しなければならない。

【該当規定】道路交通法第20条第2項

【罰則】5万円以下の罰金

普通自転車専用通行帯の通行

自転車の乗り方

安全運転の義務

ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路及び交通等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

【該当規定】道路交通法第70条

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等

安全運転の義務

夜間、前照灯および尾灯の点灯

夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけなければならない。

【該当規定】道路交通法第52条第1項、第63条の9第2項、道路交通法施行令第18条第1項第5号

【罰則】5万円以下の罰金

夜間、前照灯および尾灯の点灯

酒気帯び運転の禁止

酒気を帯びて自転車を運転してはならない。

【該当規定】道路交通法第65条第1項

【罰則】5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
(酒に酔った状態で運転した場合)

酒気帯び運転の禁止

二人乗り等の禁止

小学校入学前の子供を乗せる場合等には、各都道府県公安委員会規則において定められている自転車の乗車定員に反して、自転車を運転してはならない。

【該当規定】道路交通法第55条第1項/第57条第2項

【罰則】5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

二人乗り等の禁止

過積載の禁止

各都道府県公安委員会規則において定められている自転車の積載制限に反して、自転車を運転してはならない。

【該当規定】道路交通法第55条第1項/第57条第2項

【罰則】5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

過積載の禁止

並進の禁止

「並進可」の道路標識があるところ以外では、並んで走ってはならない。

【該当規定】道路交通法第19条

【罰則】2万円以下の罰金又は科料

並進の禁止

ブレーキ不良自転車の運転禁止

基準に適合する制動装置を備えていないため、交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。

【該当規定】道路交通法第63条の9第1項

【罰則】5万円以下の罰金

ブレーキ不良自転車の運転禁止

道路交通法の改正内容(令和4年11月1日中央交通安全対策会議交通対策本部決定「自転車の安全利用の促進について」の参考2によります。)

令和4年4月27日に公布された「道路交通法の一部を改正する法律」(令和4年法律第32号)により、全ての年齢層の自転車利用者に対して、乗車用ヘルメットの着用の努力義務を課すこととされ、「公布の日から起算して1年を超えない範囲において政令で定める日」から施行することとなっている。

乗車用ヘルメットに関する規定

  • 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
  • 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
  • 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

【該当規定】改正後の道路交通法第63条の11

乗車用ヘルメットに関する規定