安全マーク

マークイメージ

自転車に貼付してあるマークの意義とは?

自転車の安全基準として参考にしてほしいのが、車体に貼付されている「自転車マーク」です。自転車マークとは、自転車の安全性を保証するとともに、製品に対する責任を明確にするもの。さらに製造上のトラブルで事故が起こった場合、製品の補償や賠償措置が受けられるという、保険的な役割もあります。

自転車マークの中で、シティ車に深い関わりのあるものは、主にBAAマーク、SGマーク、JISマークの3つです。いずれもメーカー出荷時に貼られるものです。TSマークは自転車安全整備士や自転車技士によって点検・整備したときに貼り付けられるもので、傷害保険と賠償責任保険が1年間付いています。TSマークは年1回の整備・点検が最低必要条件となるため、他のマークが貼付された自転車にTSマークを加えることで、より安全性と安心は高まると考えられます。

自転車マーク比較表

マーク名称 BAAマーク SGマーク JISマーク TSマーク
マーク貼付の
タイミング
メーカー出荷時 メーカー出荷時 メーカー出荷時 自転車安全整備店での点検時
マークの年間交付枚数
(令和2年度)
2,454,300枚
130,000枚
(自転車のみ)
少数 2,145,010枚
(青マーク+赤マーク)
マーク交付団体 一般社団法人
自転車協会
一般社団法人
製品安全協会
工業標準化法によるJIS認証取得者 公益財団法人
日本交通管理技術協会
マークの説明 消費者の安全を第一に、業界自主基準である「自転車安全基準」を制定し、更に環境負荷物質使用削減も取り入れ、安全・安心だけでなく環境にも配慮した製品を目指している。これらの基準に適合した自転車に貼付されているのが、「自転車協会認証」BICYCLE ASSOCIATION ( JAPAN ) APPROVEDマーク。 対象製品ごとに安全性に関するSG基準が定められ、その基準に適合した製品に貼付されるマーク。同郷会では自転車を含む各種消費生活用製品の安全性を認証している。また、対人賠償責任保険が付いており、自転車の有効期限の目安は購入日から5年間。 国に登録された機関(登録認証機関)から認証を受けた事業者が、認証を受けた製品またはその包装等に表示することにより、その製品が該当するJIS規格に適合していることを示すマーク。現在、登録認証機関には、一般財団法人日本車両検査協会、一般財団法人日本品質保証機構などがある。 道路交通法例に定められた大きさ、構造、性能等の基準に適合した安全な普通自転車の目印で、同協会に自転車安全整備店として登録された自転車店の自転車安全整備士により、点検・整備を受けたことを示すマーク。TSマークには青色マークと赤色マークの二種類あり、傷害保険と賠償責任保険が付いている。

BAAマークとは

BAA(BICYCLE ASSOCIATION ( JAPAN ) APPROVED)マークとは

BAAマークとは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準(フレーム強度、ブレーキの制動性能、リフレクタの反射性能など)の約90箇所の検査項目をクリアした自転車のみに貼付されるマークです。

自転車のサドルの下の縦パイプに貼られており、主に国内メーカーを中心に貼付されています。

この検査内容は自転車マークの中でも細かく厳しい内容となっています。子ども二人を乗せられる自転車である証、「幼児2人同乗用自転車」もこのBAAマークとともに貼られ、その検査項目は子どもを乗せた場合の負荷を考慮したものとなっています。また、自転車安全基準では自転車構成部品を対象とした環境負荷の高い物質の使用削減を取り入れ、自転車が廃棄される際の環境負荷を減らす取組みを行っています。

一般社団法人自転車協会 BAA サイト

Opinion Column

自転車の購入時に参考にしたい自転車マーク
遠藤 まさ子 自転車ジャーナリスト

遠藤 まさ子 (えんどう・まさこ)自転車の安全性は見た目だけでは判断しづらいもの。そこで参考にしたいのが自転車マークです。安かろう悪かろうのいい加減な作りの自転車では、規定の安全基準をクリアできません。個人的な意見ですが、自転車マークの付いていない格安自転車は半年ほどでメンテナンスもできないほどにボロボロになってしまいました。取材の折には、いくつもの自転車店から「格安自転車を持ち込まれても、ねじ山がそもそも無く、いつ壊れてもおかしくないフレームであるなど整備のしようがない」という声を聞きました。安いからという理由だけで自転車を選んでいる方は、毎年1~2万円の自転車を購入して使い捨てるのと、3万円以上の自転車を整備しながら乗り続けること、どちらがお得か考えてみてはいかがでしょうか?

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