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疋田 智 (ひきた・さとし)

疋田 智 (ひきた・さとし)

NPO法人自転車活用推進研究会理事

東京大学文学部卒。自転車で通勤する人を意味する「自転車ツーキニスト」を名乗り、広めたことで知られる。都市交通の中で自転車を活用することを説き、学習院大学生涯学習センター非常勤講師、TBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」のパーソナリティなども務めている。著作「ものぐさ自転車の悦楽」(マガジンハウス)「自転車の安全鉄則」(朝日新聞出版)など多数。メールマガジン「疋田智の週刊自転車ツーキニスト」は、2006年のメルマガ・オブ・ザ・イヤー総合大賞を受賞。

走行空間の環境が整わなければ自転車の利用は増えない

日本の自転車の使われ方というのは、使う頻度や普及台数は国際的に見てもそれなりですが、トリップ量(1日の1台あたりの自転車の走行距離)で見ると、低いのです。例えば、オランダなどでは14~17km程ですが、日本の場合は1~2km程度に過ぎません。

この違いは自転車の走行環境によるものが大きいと言わざるを得ません。自転車の走行スペースは、世界標準でも、日本の法律でも車道であると定められていますが、現実としては、日本でだけ「歩道が自転車の走行スペース」として認識されてきました。これは1970年の道交法改正によるもので、この改正により「指定歩道ならば自転車が歩道を通行(徐行)するも可」(道交法63条の4)とされたからです。これが極端に拡大解釈された結果、日本の自転車は、歩道を左右デタラメに走るようになり、あたかも歩行者に毛の生えたかのような使い方しかされなくなってしまいました。結果として、トリップ量が伸びない、つまり、自転車が有効活用されていない、ということのみならず、先進国中ダントツの自転車事故大国の汚名を今も返上できないでいます。

基準をきちんと満たした自転車に乗ろう

日本の場合、トリップ量が少ないため、購入の際の決め手はスピードや安全性・耐久性よりも、価格に偏りがちです。 平均価格は大体1万円くらいでしょう。

これに対して、自転車先進国のオランダやドイツでは7万円くらいが相場です。スピードの他に安全性や、長く乗れる耐久性を求めると、これくらいの価格になるのです。

日本でも、価格が安ければ良い、壊れたら買い換えると、いう現在の風潮をやめ、耐久性や安全などの基準をきちんと満たした自転車選びをすべきではないでしょうか。

自転車ユーザー自身もルールとマナーを実践しよう

自転車は軽車両なので車道の左側通行が基本です。自転車の歩道走行は歩行者を危険にさらす他、自動車から視認しにくく、自転車側にとっても大変危険です。右側通行も同様の理由で危険です。さらに右側を通行することで自動車との対面衝突の危険性が高まります。

現在、自転車のルールはほとんど遵守されていない状況ですが、自転車の有効活用、利用促進にはユーザーの意識改革が必要です。