自転車の社会問題

自転車ブームの動向とゆくえ

多彩な用途の広がりを見せる自転車

自転車の利用は近年、多彩な広がりを見せています。震災時の自転車の活躍や節電意識の向上、また健康意識の高まりなどを受けて、自転車通勤がブームに。趣味の領域では、長い距離を走ったり街を自転車でぶらぶらと散歩する「ポタリング」が流行しています。また流通業での自転車利用やレンタサイクルなど、自転車の活用方法も広がっています。

  • 電車の距離も自転車で
    「ツーキニスト」増加
    5分、10分の近距離だけでなく、30~40分の道のりを自転車で通勤する人が増加。機動力のあるスポーツタイプが好まれる。
  • 自転車で散歩を楽しむ
    ポタリングがブーム
    自転車で気ままに街をぶらつくポタリング。観光地でもレンタサイクルを借りてポタリングを楽しむ人も多い。
  • 流通では小回りがきく
    自転車便が人気
    荷物や信書を自転車で配達する自転車便は、渋滞や交通規制の影響を受けにくい機動性が売り。宅配便も自転車の活用を始めている。
  • 都市部でも
    レンタサイクル普及の試み
    都市部の渋滞や放置自転車対策として「サイクルシェアリング」の概念が提唱されている。鉄道駅などを起点に次々設置されている。

スポーツタイプや電動アシスト自転車の増加が顕著に

安全安心で快適な自転車利用には、まだ課題も多い

多彩な用途で利用が拡大している自転車ですが、利用環境という面では、日本はまだまだ課題がたくさんあります〔下記資料参照〕。日本では、自転車専用レーンの整備が不十分なため、車道では路上駐車など自転車が走行しにくい状況になっており、一方、歩道走行では歩行者と接触事故を起こす危険があります。また、放置自転車など、地域の環境を悪化させている問題もあります。


出典:国土交通省道路局「自転車をとりまく話題(参考)」を基に作成